Helene Grimaud



エクサンプロヴァンス生まれのエレーヌ・グリモー。
彼女の「野生のしらべ」という本を読んでから気になっていたピアニスト。
オオカミと生活を共にしているもののけ姫のような人。

ショパンやラフマニノフを聴いたときは何とも思わなかったが、
バッハを聴いて印象が変わった。

私は滑舌の良い脳に突き刺さるようなシャープなバッハが好きだ。
彼女のバッハのアルバムはグレン・グールドにも影響を受けたようで、
音が心に突き刺さるような素晴らしい演奏だ。


アルバムの解説のインタビューでとても面白い話をしている。

「何年も前に私は面白い経験をしました。それはイタリア協奏曲を練習したスタジオにハープシコードが置いてあり、試しに弾いてみる機会に恵まれたことです。この体験は思わぬ発見をもたらしてくれました。バッハの音楽の持つ表情の豊かさは、音符と音符の間ではなく、まさしく音符そのものの上にあるのだと気づかされました。」


 これは日本的感覚とは正反対の美意識である。日本的美意識では物そのものではなく余白や余韻に意味を見いだすが、確かに私もバッハを聴くときはドビュッシーなどとは違った聴き方をしている。

 バッハの音楽は、神の心地よい言語で断片化された心と身体を整えているような感じだ。だからどちらかというと受け身で聴く音楽であると言える。ということは、余白に意味を見いだす日本的感覚は能動的な関わり方であると言える。いや、神がどこに存在しているかという話になるのか。


彼女はバッハの音楽の宗教性についてこう述べている。

「バッハは音楽を通して神の存在の論拠を見いだしました。そして何よりも、喜び、脅威、熱情、高揚といった一般的な感情を通して、目に見えない存在を讃えることをやめませんでした。」


バッハ・トランスクライブド
バッハ・トランスクライブド
グリモー(エレーヌ)
ユニバーサル ミュージック クラシック (2008-11-12)


Hélène Grimaud - Bach
「野生のしらべ」 エレーヌ・グリモーさん : 著者来店 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
YouTube - Helene GRIMAUD on Japanese TV
YouTube - Helene Grimaud Chaconne in D minor -1-


Date: 09.11.26

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